「第二次宇宙戦争 マルス1938」裏話その1
火星人の置き土産を利用して何かできるのではないか、という発想は例によって三、四年くらい前のもの(ネタがポンポン浮ぶわりには筆が遅いのでいつもこうなる)。
H・G・ウェルズの「宇宙戦争」のパロディやパスティーシュは数多く書かれていますが、念のため、去年の夏ごろに版元の東京創元社に確認をとりました。電話に出たのは有名編集者のK氏。
「宇宙戦争の続編? 問題ないっすよ。それにしてもまた変わったことをやりますねぇ。そろそろストレートなSFは書かないんですか」
「発表の場所があれば」
「SFマガジンがあるじゃないですか」
繰り返すが、K氏は早川書房ではなく東京創元社の人である。
もっともKさんをよく知る人ならば、とくに驚くことではない。SF界全体のことを見ている人なので。
ちなみにKKベストセラーズでは例によって「SFとはつけられない」ということで、4年前と同じく「新世紀シミュレーション」と銘打たれました。とても、くすぐったい気分。
でも、副題の「マルス1938」は科特隊の武器っぽくていいでしょ?
2000.9.8 ◇to page top
「第二次宇宙戦争 マルス1938」裏話その2
第2章第3節。ジェルジ青年事情聴取の場面。
チョイ役のネーミングにそう時間はかけていられません。まず、男の名としてアランがパッと浮かぶ。アランときたら、自動的にケイトが連想されるというものです。そう、懐かしの米国アニメ「宇宙怪人ゴースト」のキャラ。
そのまま対火星人組織の名も、「ゴースト」に決定。「謎の円盤UFO」のシャドゥっぽい感じがしたのであっさりと決まりました。
おサルのウィッキーがいないのは残念……。しかし、やりすぎると横道に逸れてしまいますので、そこまでということで。
2000.9.12 ◇to page top
「第二次宇宙戦争 マルス1938」裏話その3
プロローグのソンム戦線。
例によってチョイ役のネーミングにそう時間はかけていられません。ドイツときたらやはりペリー・ローダンだよな、ということでダールトンはシリーズの中心作家クラーク・ダールトンから。
ふつうなら、その相方はシュルツとかマールにしがちですが、そこは少しひねってみました。エルンスティングという名が分かる人は相当のローダン通(つまり「ぺ」。懐かしい響きだ)。じつはダールトンの本名なんですね。
なんてことが分かったのは、今年の正月に田舎のほうでプロローグを書いていたため。最初の20冊ほど「ぺ」があったのですね。
表紙の高荷義之氏は大変ノリノリの仕事だったようです。最近、ずっと似たような架空戦記の絵を描いていたせいでしょうか。
担当のM氏に、「もちろん、この続きはあるんだろうね。また火星人が攻めてくるんだろう」と聞いたそうで。
すみません。まるで考えてはいません。あまり長くやると火星兵器の動力とかも考えていかないとなりませんからねぇ。待てよ。地球になくて火星にあるもの。……スペ○ュームか。おあとがよろしいようで。テケテンテン……。
では、まもなく発売の「零式スター・パニック」(ファミ通文庫)のほうもよろしくです。
2000.9.17 ◇to page top
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