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最近買った本 2002年1月編です。(価格は税別)
1「本の未来はどうなるか」歌田明弘 中公新書 780円
2「織田信長合戦全録」谷口克広 中公新書 840円
3「TRIGGER2月号」日刊工業新聞社 800円
特集「科学技術未来予測」
4「ご飯と汁もの、スープ」オレンジページ・ブックス 848円
実用の書です。外食がほとんど出来ないので、自炊が多いのですよ。
5「楠田匡介名作選」日下三蔵編 河出文庫 980円
6「黒い文学館」生田耕作 中公文庫 686円
今回はいただいた本も記しておこう。
7「銀河パトロール隊」E・E・スミス 小隅黎訳 創元SF文庫
8「響鳴」原作/紙谷龍生 漫画/福原鉄平 ワニブックス
本格的な謎解きに独特の雰囲気ある絵柄が合わさり、カルトな味を出しています。
いつもならここでDVDソフトも書いているのですが、今回は無し。1月中はずっと籠もって仕事中だったため、1度も電車に乗ることなく、したがって秋葉原にも行かなかったのでした。
●買わなかった本
「立花隆先生〜変ですよ」(?)
(立ち読みしただけなので、タイトル、著者等、うろ覚えです。ハードカバーでした)
買っていない本について長々と書くのもどうかと思うのだが、今回もやることにした。
数年前に北海道の田舎に帰省したとき、父親に聞いた話です。
立花隆が講演か何かでやってきた。そのとき「この○○市の本屋にはろくなものがない。よって、この市の文化レベルは低い」と発言したそうな。ところが、どんな田舎の市や町にも文化人を自認する人たちというのはいるものでして、「失礼だ。取り消せ」という話になったとか。
その後の展開は分かりません。全国メディアではまったく見聞きしなかったことなので、たぶん局地戦のまま、尻すぼみに終わったのでしょう。
この話を聞いて思ったこと。まず立花隆の「○○市の本屋にはろくなものがない」というのは、すなおに私もそう思う。
本屋の数自体が少ないし、あっても駅のキヨスク的な定番の雑誌やベストセラーしか置かれていない(コミック本も大手の定番作品しかない)。私が読みたいと思うような小説やマンガ、科学・歴史、その他もろもろの趣味の本が大変少ない。
「品ぞろえの多い本屋があれば文化的か?」という声もありそうですが、そりゃあ、ないよりはあった方が良いに決まっています。多様性があってこその文化ですからね。
このように立花隆発言の前半には同意しますが、後半はどうでしょうか? 「ここの市は」という部分です。
これは立花隆が間違えています。これは私の田舎だけの問題ではない。どこだってそうなんですよ。東京とか一部の大都市を除けば、日本の地方都市の大半はそういう品ぞろえの本屋しかないんですから。
立花流にいえば、「日本の地方都市の大半は文化レベルが低い」ということになりますね。
大都市に住んでいて、本もネット書店で買っている人にはあまりピンとこない話かもしれないけど……。
閑話休題。前置きが長すぎました(というより、何年も前からいいたかったネタでしたので)。ここから文体を変えます。
さて、じつのところ、立花隆の本は「宇宙からの帰還」を始め10冊くらい持ってる。「知の巨人」と持ち上げすぎるのはどうかと思うけど、わりと私は好きだったりする。
で、最近は「バカにされた東大生」による批判本や「別冊宝島」で批判特集が組まれたりしているわけだが……。曰く、立花隆のいっていることは思いこみが強すぎて、科学的にも間違っている点が多い……etc.
確かにそういった面はある。科学ジャーナリストやサイエンス・ライターではない私にも分かるくらいだ。それに、そういった肩書きの人たちが、立花隆の名声に対して苛立ちを覚えるのも理解はできる。
それで、前述の批判本を立ち読みしてみたのだが、私にはつまらなかった。きっとまっとうな内容なんだろうけど、優等生の正論みたいで魅力がない。
内容が科学的に正しいか、というのは大事な点ではあるけど、より多くの人にとってもっと大事なのは面白いかどうかってこと。
宇宙開発等の科学技術の発達には、天文学的な費用がかかるわけで、それを可能とするためにも広い国民的なコンセンサスが必要なわけだ。そのための武器は、経済波及効果があるという宣伝だったり、知的好奇心と夢とロマンなどのくすぐりなわけで、そのための旗振り役のひとりが立花隆なわけだ。
果たして批判する人びとの中で、立花隆の代わりが務まる人がどれだけいるというのだろうか?
それに、立花隆の本を読んで宇宙や生命科学に興味を持ち、もっと専門的な本を読んで「あれ、どこか違うぞ」と気づけば良いわけで(実際そういう人は多い)、それはそういうことで良いのではないか。
立花隆のやってきたことの功罪を考えると、私としては「功」のほうが大きいと思うのだが。
2002.2.28 ◇to page top
一仕事を終えたあとの近況(2月17日現在)
ようやく「超・奇想艦隊」を脱稿し、ゲラの校正も終了しました。発売は4月上旬の予定とのことです。量的にはいつもの35パーセント増し(当社比)。歴史群像新書としては厚めの本になりそうです。
その勢いでドラゴンマガジン増刊号の短篇「三姉妹スペースオペラ」も脱稿し(自己最短記録)、校正も終了。本屋にはこちらのほうが早く並ぶようです。
どちらとも発売日が近づいてきたころに、改めて「近刊・新刊」コーナーにて案内を出しますのでお見逃しなく。
ようやく一段落ついたので、部屋の片づけをやろうとすると、次つぎに本が崩れ落ちてもう大変。おまけに以前作った「エンジェル・リンクス」の同人誌を一箱分(しかも端が折れているもの多し)も発掘してしまってムンクの「叫び」状態……。どなたか欲しい人はいますか?
なんとか玄関までの「けもの道」を完成させる。これでようやく外出できます(いったいどんなところで生活を……)。
紙谷龍生さんからお誘いを受け、17日は2年半ぶりに女子プロレス(アルシオン)を観戦。一足先に退団してしまった浜田文子を拝むことはできませんでしたが、日向あずみを久しぶりに観ることができたので個人的には「良し」としましょう。試合もその後の歓談も楽しゅうございました。
帰宅後、サイボーグ009の第18話「張々湖飯店奮闘記」を観る。先週、スカールを倒しているので、今回は息抜き的なつなぎのエピソードと思いきや(実際そのとおりだったのだが)、ビックリするほど良くできた脚本でした。006の料理を軸に、各国に散ったキャラたちのオムニバス・ストーリー。個人的には、先週の「決戦」よりも高い点をあげたいですね(このあと、電話をかけてきた山本貴嗣さんにも熱く語る)。
これからは、またすぐ新作に着手します。今年はずっとタイトなスケジュールが続く予定。まあ、その合間を縫ってというか、寝る間を惜しんで「プライベート・ニャンニャン」などを書いてもいるのですが……。
2002.2.21 ◇to page top
戦記漫画の超隠し玉(?)について
去年、昭和30年代に一世を風靡した少年雑誌の戦記ブームについて触れました。今回はその続編です。……といいますか、とんでもない作品があったことが分かりましたので、それについて筆を取りたくなった次第なり。
その作品のタイトルは「新戦艦大和」
内容については『少年画報大全』(本間正幸監修・少年画報社)から引用します。
「南氷洋に突然空を飛ぶ新戦艦大和が現れる。世界征服をたくらむキラー博士が造船大佐沖田武夫を利用して完成させたのだ。しかし、沖田は新戦艦が完成するとそれを奪い、潜水機能も加えて艦長となり、息子の雄介・光一と共にキラー博士と戦う」
空を飛び、海中に潜る大和!
内容も内容ですが、特筆すべきことはこの原作者があの梶原一騎であるということ(作画は団鉄也)。
作品は「少年画報」の昭和38年7月号から39年3月号に渡って連載され、別冊付録も4冊出されたそうです。ただ、残念ながら単行本化はされていない模様。
内容が内容なだけに、さっそく『飛行戦艦大和』の青山智樹氏に電話してからかった次第です(笑)。くくく。
(なお、このネタは昨年11月のIFCON1で発表していますが、文章化したのは今回が初めてです)
「新戦艦大和」、初単行本化ということで、どこかから出て欲しいものです。
2002.2.13 ◇to page top
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