I氏の手紙

Ibuki Hideaki Free Talk

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インフォメーション!

「猫耳戦車隊」の設定をまとめた本を作りました。
 12Pの薄いコピー本ですが、近藤敏信さんの設定ラフ画も掲載したお得もの。
 夏コミにて頒布いたします。
 12日(日曜日) ビッグサイト
 西1ホール「ね−15a」のパラドックス
のスペースに置かせてもらいます。
 時間がないため、ほんの少ししか作っていません。売り切れの際はご容赦下さい(原則としてお一人一冊)。来年は短編を集めたオフセット本を出す予定ですので、乞う御期待のほどを。

(2001.8.6記す)
2001.8.7 ◇to page top


8月1日「えんため大賞」受賞パーティに出席する

 8月1日、エンターブレインの「えんため大賞」の受賞パーティに、渋谷まで行ってみました。この手のものに出席することは滅多にないので、知っている人はいないのでは、と思っていたら、知人のSF関係者がいっぱい来ていた。選考の下読みでもやっていたのだろうか?
 いろいろな人たちに「猫耳戦車隊」の次を早く出すようにいわれる。エンターブレインのエライ人たちが周りにいっぱいいるんだから、そちらにいってくれたほうが効果的なような気もするが、もちろんそんなことは口に出しません。
 エンターブレインの浜村社長を発見。思わず、近くに伊集院光がいないか探してしまいました(深夜やっている某ゲーム番組で共演しているので)。
 その昔、私が社員をやっていたスタジオ・ハードの高橋会長といろいろ話す。途中、渡辺浩武氏に紹介されるが、「この人、知ってますよ」といわれてビックリ。私がハードに入った直後、会っているらしいのだ。もう15年くらい前の話である。すごい記憶力だ。
 そのまま会長と(何故か)ボンデージ・ファッションについて話していると、大森望氏、相変わらず、ゆらーっとやってきて、
「秀明の読者はきっとボンデージには拒絶反応をしめすのが多いだろうから、ダン・伊吹という名前で出すと良い」
 といい、またゆらーっと去っていった。
 ダンはやはり鬼六先生の団か、あるいは、弾でもいいな、と思ったりして。一応、今後の展開案のひとつとして考えておきましょうか(笑)。パラパラ漫画の「揺れる乳」も検討中なり。
 会場で拾ってきたネタをもうひとつ提供すると、ヌーベルSFを謳っていたハルキ文庫が、ヤングアダルトに路線変更をする(した)そうです。
 私は、いくら論理武装したところで、SFやファンタジーは本質的に若い人向けのジャンルだと思っていますから、自然な流れだと評価します(無論、大人向けのテーマやドラマもないと寂しいですが)。
 以上、近況でした。次回はガラリと話題を変えます。

(2001.8.3記す)
2001.8.4 ◇to page top


最近片づけた本、買った本(DVD)2001年7月編

 足の踏み場がなくなってきたし(慣用句としてではなく物理的に)、床が抜けるのが怖い(鉄筋でも危ない)ので、第14次整理・処分計画をこの1カ月ほど進めている。「SFを捨てるんだったら、くれ」という友人がいるので、そちらに送った本のリストがこれ。
 エルンスト・ヴルチェク「琴座の死の園」、セルゲイ・スニェーゴフ「銀河の破壊者」、アン・マキャフリー「歌う船」、デーヴィッド・サパースティーン「コクーン」、A・バートラム・チャンドラー「黄金の星間連絡艇」、F・ホイル&J・エリオット「アンドロメダ突破」、ジョルジュ・ランジュラン「蠅」、ノーマン・スピンラッド「星々からの歌」、K・H・シェール「特務機関GWA」、マルカム・ハルク「恐るべき最終兵器!」、マレー・ラインスター「地の果てから来た怪物」、クリストファー・プリースト「ドリーム・マシン」、ゴードン・ウィリアムズ「マイクロノーツ」、リチャード・S・マッケンロー「ソーラー・フェニックス」、グレゴリィ・ベンフォード「アレフの彼方」、キース・ローマー「突撃! かぶと虫部隊」、スパイダー&ジーン・ロビンスン「スターダンス」、マイクル・マッコーラム「時空監視官出動!」……。
 ちなみに最後の本は、1985年に出た本で、表紙と挿し絵を加藤雅基が描いている。いまでいう唯登詩樹氏のことである。
 今回の第14次計画では、この百倍の本や雑誌がいろいろなところに散り(約一トン分)、ちょっとは足の踏み場ができたはずだが。
 ここで岡本賢一氏のように、いっさい本を買わない生活に切り替えれば、さわやかな気分になれるのだろうが、そうは問屋が降ろさない。

 ここ1カ月くらいに買った本をランダムに書き出してみよう。(値段は税抜き)

1『攻殻機動隊2』士郎正宗 講談社 1500円
2『すーぱータムタム完結編』小池田マヤ 講談社 571円
3『ネコの王』小野敏洋 小学館 552円
4『菜々子さん的な日常』瓦敬助 コアマガジン 1000円
5『電動侍』花見沢Q太郎 大都社 619円
6『銃夢Last Order』木城ゆきと 集英社 648円

 いずれもマンガ。1、2は、すでに本サイトで触れている。
 3は表紙の猫女神さまの巨乳に惹かれて買った(こうして買った本は数知れず……)。『猫耳戦車隊、西へ』でも書いたが、エジプトの猫女神さまの名前は「バスト」なので、これで良いのだ。強引じゃな(語源も綴りも違うゾ)。
 4は去年出た本。またしてもヒロインの菜々子さんは巨乳。絵が個性的で良い。版元の都合で18禁物になってますけど、話はほのぼのしています。天然の菜々子さん、素晴らしいっス。
 5は、もっと「すずき小」シリーズを描いて欲しいものです。謎なのはカバーの折り返しに同じ作者の少年画報社から出ている本の告知が載っていること。大都社と少年画報社は系列なのでしょうか?

7『歩兵の本領』浅田次郎 講談社 1500円
8『オルガスマシン』イアン・ワトスン コアマガジン 2800円
9『20世紀SFD1980年代』中村融・山岸真編 河出文庫 950円
10『ジャンとジュール』ルージャ・ラザロヴァ 角川書店 1000円
11『蝶の舌』マヌエル・リバス 角川書店 1000円
12『ペヨトル興亡史』今野裕一 冬弓舎 2000円

 8は暴言を吐いて岡本氏に(またも)首を絞められた評論家が貴重な本だといっているので買ってみました。出版が世界初というのも凄い話です。
 9はやはり山岸氏が編者をやっていたハヤカワの『80年代SF傑作選』とのダブリがほとんどないのが良い。
 10は変な話。その昔、フィリップ・ロスが『乳房になった男』というのを書いていましたが、これは意志を持った「おっぱい」、ジャンとジュールのお話。右と左で会話しているわけです。
 12は、「ペヨトル工房」の主催者だった今野氏が「出版をやめたわけ」を綴った本。昔、「夜想」や「WAVE」を買っていた身としては、感慨深いものがある。この本の中で、今野氏は「うちの本は20代に売れない」といっている。じつは最近、同じことを本屋、編集者、作家などいろいろな人から聞いた。「ペヨトル工房」だけではない。なんでも、10代と30代の人は本を読むけど、20代は本を(マンガも)読まないというのだ。20代は1970〜1980年生まれということになる。バブルを「失われた10年」なんていうけど、これも深刻な問題のような気がする。

13『パールハーバーの真実』兵頭二十八 PHP 1600円
14『戦闘糧食の三ツ星をさがせ!』大久保義信 光人社 2300円
15『実践サバイバルのすすめ』大海淳 主婦と生活社 1300円
16『日本海軍地中海遠征記』片岡覚太郎 河出書房新社 2000円

 13は、山のようにある類書とは視点が違っていて興味深い。データも細かい。ただ、タラントを奇襲した英空母は二隻ではなく、一隻だったはずだ。
 14と15は対照的。14は世界中の軍隊のレーションを食べて食べて食べまくって、紹介し、評価しているというもの。食事は文化である。それは戦闘糧食でも一緒だ。15は山や川、海で食べられるものを紹介している。カラー写真も豊富で資料性充分。戦闘糧食がなくなれば、こういったものでサバイバルすることになる。

17『蒸気機関車の興亡』齋藤晃 NTT出版 3398円
18『蚊遣り豚の謎』町田忍 新潮社 950円

 日本における蚤、虱、蠅、蚊等に対する戦いの歴史を民俗学的な視点から解説。なかなか奥深いです。日本の亜熱帯化が進む昨今、問題は現在も進行中でしょう。あと数年で日本にマラリヤ蚊が出現すると予想されていますし。

19『エビ・カニガイドブック』加藤昌一・奥野淳児 TBSブリタニカ 2400円

 伊豆諸島・八丈島の海の甲殻類のガイドブック。この出版社は同様のシリーズで「ウミウシ」「クラゲ」「イソギンチャク」「クマノミ」などを出している。「ウミウシ」などは「2」も出ているくらいで繁盛している。癒し系というやつだろうか。同種の写真集も目につくが、このシリーズは文字情報も豊富だ。
 その中のコラムでひとつ驚いたことがある。それを書き出すと長くなるので、またべつの機会にまわす。

 次は、やはり最近買ったDVDソフトについて。

20『メゾフォルテ』vol.1と2。GREEN BUNNY 各6800円

 ビデオじゃないんだからOVAといっていいのか分かりませんが、とにかくアニメです。1が去年出てから、待つこと14か月。ようやく2が出ました。
 原作・脚本・キャラデザイン・作画監督・監督、すべて梅津泰臣。
 同監督の前作『カイト』は非情でクールな世界でしたが、一転してこちらはコミカルなトーン。でも洗練された過激さは一緒です。
 特筆すべきは声優。18禁ということで名は伏せられていますが、どう聞いてもこれは広○太○郎。昔、「ダンディ2」のト○ー・カー○ィスの吹き替えで聞かせてくれた軽快なアドリブ(?)が小気味良く、至福の状態になってしまいました。

21『THE SOUL TAKER』1 5500円 東芝/パイオニア
22『エイリアン9』1 バンダイ・ビジュアル 5800円
23『Spirit of Wonder』後編 バンダイ・ビジュアル 7800円

 『THE SOUL TAKER』はWOWOWでの放映時ロクに観ていなかったので、ほとんど初見。これほど観るときに集中を強いられるアニメも珍しい。画面やセリフが凝りまくっていて、ボーッと観ていてはすぐ意味不明になってしまいます。でも、この濃縮された世界は好みですな。そのうち、背中に巨大な注射器を背負った小麦ちゃんのコスプレも見られるかも(笑)。どうやって調達するのか、それが問題だ。
 集中を強いられるといえば、『エイリアン9』の原作マンガもそうだった。アニメのほうは(少なくとも1巻は)まだそこまでは行っていないようです。

24『三つ首塔』5200円
25『夜歩く』4700円
26『黒猫亭事件』4200円
27『不死蝶』4700円
28『本陣殺人事件』4700円

 以上、すべてキングレコードが出している横溝正史シリーズ。1977、78年に毎日放送系でやっていたテレビ番組で、金田一耕助役は古谷一行でした。テレビにしては予算がかけられ、キャストも豪華。市川崑の映画も好きですが、こっちも侮りがたい。ポツポツ買っています。今回はなるべく市川監督が撮っていないものをチョイスしてみました。

 さて、このように整理しても、整理しても、本やDVDソフトは増殖していくのであります。床が抜けないように祈るばかり(そんな暇があれば片づけろという声が……)
 毎月この調子で書いていけばネタには困らないのですが、さすがに書くのが大変なので今後は気が向いたときに、ということで。

(2001.7.25記す)
2001.8.2 ◇to page top


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